星野リゾートで感じたプラスαの心地よさ
我が家では年末の温泉が恒例になっています。雪が降る中、露天風呂に入るのは最高ですね。一年の疲れが洗い流されるというか。
今年は川治温泉の界という星野リゾートの施設に泊まりました。なかなか良かったです。川治温泉は鬼怒川のさらに北へ電車で30分ほど行ったところです。
外見はちょっと古い建物なのですが、中は結構キレイにリノベーションされています。
(ひょっとして界は星野リゾートのリノベ施設ブランドなのでしょうか?)
館内の写真も撮れば良かったのですが、とりあえず室内の2枚。
直感的に「値段以上にお得」と思いました。何がいいと思ったのかと言うと
・部屋が広い(一般的な4人家族用としては一回り大きい)
・和室だけどベッドになっていてモダンな感じ
・窓が大きい(写真だとカーテンで隠れてしまっていますが、幅4m☓高さ2mぐらい)
・ソファの座面が広い(普通の倍以上かな、1.5mぐらい)
また、館内ではフリードリンク/ フードが充実していました。
・きなこ餅(きなこは4種類の豆から選んで自分で石臼で挽けます)
・コーヒー
・アイスバー(湯上がり場に置いてました)
・日本酒(1杯無料でもらえます)
でも、何故これらが実現できているのでしょうね?滞在中に館内をウロウロしながら考えていたのですが、見えないコストを削ってそれを回しているからと思いました。
例えばベッド。旅館だと普通は布団ですよね。でもそれだと夕食中という極めて限られた時間に布団セットをするためだけの人件費がかかってしまいます。それを星野リゾートではベッドにすることで布団セットの作業を省き、余分な人件費を浮かせているのです。実際、夕食から戻ってきても部屋にスタッフが入った形跡はありませんでした。
それから、以前に本で読んだことがあるのですが、星野リゾートでは人件費を圧縮するために一人のスタッフが複数作業(フロント・客室・レストランなど)を掛け持ちしているそうです。そうすることでアイドリングタイムを無くしているとか。
また、お金をかけるところも割り切っていました。例えば、部屋についているシャワーなんて一昔前のビジネスホテルのユニットバスのままでお金をかけた痕跡は一ミリもありません。部屋のモダンさとは相当アンバランスな感じで、見た時はちょっとくすっと笑ってしまいました。露天風呂に入るのでシャワーなんてどうでもいいところですが。そして、部屋の鍵もオートロックではないフツーの鍵でした。
「ユーザーにとって、実はどうでもいいところはどこか?」
この問いを立て、うまいコスト削減方法を編み出す。そしてその原資でお値段以上と感じてもらえるプラスαを演出する。旅館の寝具なんて室内のデザインに気をつければベッドでも全然OKと考えるユーザーも多いはずです。そうして浮かせた人件費で大きな窓ガラスを入れて、滞在者にリッチな気分を味わってもらう。
こうしたユーザーの気持ちを精度高く見極める力こそが星野リゾートの強みと思いました。利益創出のためのケチケチコスト削減ではなく、サービス改善のためのコスト削減です。
今回の露天風呂は自身のunwindだけでなく貴重な学びも得られた宿泊でした。この学びをうちの住宅ローンのサービスにも活かしたいですね。そういう意味でもお値段以上だったなぁ。
さて、本日は2017年の大晦日。明日から2018年です。皆様にとっていい1年になりますように。よいお年を!