COOのつぶやき|FinTech立ち上げで考えたこと

スタートアップ・金融のトピックを中心に、COOとして何を考えているかを綴ります

データ"資本主義"

すっかり更新がご無沙汰になってしまいました。社員からも「放置は良くないですよ」とクギをさされ(苦笑)、丁度いいネタがあったので書こうと思います。

 

先日、Finsum(Fintechのイベント)にて「データ資本主義」というテーマでパネル登壇させて頂きました。カタいテーマではあったものの、司会のマネーフォワード瀧さんが時折笑いを取っていただき、和やかに進みました。

 

議論の中で「データ流通の仕組みをどう作るか?」という話がありました。要は、データの共同利用が進めばビジネスが活発になると想定されるが、ユーザーからすると個人情報が流出する不安があるので、それにどう対応するのか?また、データの共同利用から本当にマネタイズってできるの?というお話です。

 

結論から言うと、「ユーザーに刺さるサービスを事業者が必死こいて出す」しかないですね。

 

個人情報提供により、ユーザーが抱く不安は2種類あると思います。

1. 流出によって悪用されて、金銭的・精神的ダメージを受けるリスク

2. 流出もなく悪用されてもいないものの、期待していないサービス提供が一方的にされるリスク

 

1をクリアすることはデータ利活用の必要条件ですが、十分条件ではないです。流出がないとどれだけ言ってもユーザーからは「だから何?」と思われて、そもそもの情報提供が進まないです。(余談ですが、MFSは貸金業&Pマーク取得事業者なので、それら規則に従い適切に個人情報を管理しております。また、技術的安全面にも配慮し、顧客情報はすべてセールスフォースにて管理しています。)

 

実際にデータ利活用が進むかは2番のハードルをどううまく乗り越えられるかがポイントです。「情報提供以上のリターンが得られそう」とユーザーが感じとれるサービスを作れるかどうかでしょう。

 

当社の例で言うと、「個人情報とローン情報を提供すると、住宅ローンの借り換えを代行してもらえて500万円お得になる」ということです。ポイントは、情報提供の対価は「役務の提供」であるべきということです。よくある「広告の送付」ではダメです。まさに2番の典型的な例、事業者都合ですね。クーポンつけても大した情報は集まらない。

 

だって、そもそも広告って好きでないでしょ?それではユーザーは情報提供しないですよ。シンプルな話です。

 

と考えていくと、個人データを集約・統合する主体というのは、そういうイケてるサービスを作った事業者が音頭を取るのがベストだと思います。政府でも議論がなされていますが、国が主導する構想だとどうも「ハコを作って魂入れず」な感じがして。一体だれが喜んで情報提供するのだろうな、と思ってしまいます。

 

ですので、「優れたサービスを提供した企業がユーザーから賞賛され、利潤を生み出す」この現実世界と同様、データの世界もやはり「資本主義」なんだろうな、とパネル登壇してつくづく思ったわけでありました。