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COOのつぶやき|FinTech立ち上げで考えたこと

スタートアップ・金融のトピックを中心に、COOとして何を考えているかを綴ります

FinTechのジレンマ

MFSという住宅ローンに特化したFinTechスタートアップでCOOとして働いています。最近はマイナス金利で連日賑わっており、お陰様でモゲチェックのアクセス数も伸びています。また、昨日はFIBCにも出演させて頂き、どのプレゼンよりも多くの笑いと拍手を得たのでは自負しております(笑)。

今回は新サービス準備中に非常に重要と感じた「ユーザーへの理解を深める」を切り口に、後半に本日の話題に触れようと思います。

サービス立ち上げ時にはメンバーからいろんな意見が出ます。「こういうユーザーが来たらどうするのか?」「こういう状況になったらどう対応するのか?」これら全てに対応するサービス・オペレーションを組んでいたらきりがありません。リソース的に無理です。

つまりどんなユーザー・どういったsituationは後回しにしてサービスやオペレーションを切り捨てるのか、これが非常に大事になります。その際に立ち返るのは、そもそもユーザーってどんな人なんだっけ?という問いです。

その解は年齢・住所などの大量の数量データや長~い説明文ではなく、問いにスパッと答える研ぎ澄まされた"one word"です。この"one word"が議論を収束させ、次の一歩を明らかにします。「それは対応しなくていいんじゃないのか。だってユーザーはxxxだから100人中99人は必要としていないよ」という感じで。

金融で厄介なのは、実際のユーザー像と経営陣がイメージするユーザー像の乖離が起こりやすいということです。FinTechスタートアップの経営陣は概ね金融経験が豊富です。故に、「この程度は説明しなくてもわかるだろう」とか「これぐらいは合理的に判断できるだろう」という"強気"な見立てを立てがちです。そして、その前提に基づいたテクノロジーゴリゴリの"セルフサービス"的なサービスが設計されます。

一方で一般ユーザーは金融サービスの経験があまり無く、自分一人では良し悪しが判断できない方が多いです。(飲食やECサービスとは親しまれ度合いが全然違うはずです。)

よって、FinTechサービスの何割かは「自力でやれる」&「合理的に判断できる」人向けのサービスとして世に送り出されます。でも、残念ながらそれは金融オタク向けのサービスでしかないのです。

「テクノロジーで新しいことをすれば耳目を集められるし、ネットサービスだとキャパシティが無限大だからユーザーも爆発的に増やせるはず」という見立てで突き進むと、それを使いこなせるユーザーだけに限定されてしまう。とは言え、テクノロジーをレバレッジさせたサービスにしないとオペレーション負担が大変なことになる。ここにFinTechスタートアップのジレンマがあり、これにどう取り組むかでその後のサービス発展が大きく変わる気がします。

MFSも3月24日に新サービスをリリースしますが、この問題に対して我々なりに考え抜いたひとつの答えです。ユーザーの反応が楽しみですが、此処からがスタートだと気を引き締めようと思います。