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COOのつぶやき|FinTech立ち上げで考えたこと

スタートアップ・金融のトピックを中心に、COOとして何を考えているかを綴ります

やりたいことをやれるようにするには

最近、メディアに取り上げて頂ける機会が増えてきました。スタートアップは認知・信任が無いのが悩みどころなので、これからも露出は増やしていきたいですね。カンブリア宮殿目指します(笑)。

 

今日は以前に社内で議論になったことでも書こうかと思います。「自分たちがやりたいことを自由にやれる環境をいかに維持するか?」ということです。

 

モゲチェックモーゲージ・ネクストはユーザーがベストな住宅ローンを選べるサービスでして、完全に"ユーザーサイド"に立ったサービスです。"商品提供サイド(=銀行サイド)"には立っていません。これはMFS立ち上げ時に中山田と議論して決めたことです。

 

"ユーザーサイド"というのは聞こえはいいのですが、実際にそれを貫こうとすると結構大変。ビジネスである以上、どこからお金を調達してどうやって稼ぐのか?という問いからは逃れられません。

 

例えば、FinTechに出資しやすいところは

・銀行系VC

・銀行を傘下にもつIT企業

が有力候補ですし、フィーの払ってもらいやすさは 

法人(銀行のこと)>>>>>個人

です。

 

ユーザーサイドに立ってサービスをやると決めたのであれば、 資本もマネタイズ ポイントも銀行の色をつけてしまっては戯言になってしまいます。つまり、出資は銀行の色がつかないけどFinTechに興味あるところになり、フィーも銀行からではなくユーザーからもらうしかないのです。

 

この時点でいばらの道、確定です(苦笑)。 

 

ただ、幸いにも当社サービスに理解下さっている投資家がいて、ユーザーからのフィーの頂き方も工夫できたため、この方針であっていると確信しています。

 

今の課題である集客ですが、これもゆくゆくは他者に依存しない、自立したチャネルを確立したいと考えています。そうでないと他者の都合に振り回されてしまいますからね。

 

資本・マネタイズポイント・集客、この3つが「自分たちがやりたいことを自由にやれる環境を維持する」ための重要なポイントだな、と改めて思ったりしています。

資金調達を経て思うこと

資金調達

更新がのびのびになっていました。それだけ多忙であったということでご容赦下さい(笑)。

 

この度グロービス・キャピタル・パートナーズ様より2億円の資金調達を頂きました。4月にオープンしたモーゲージ・ネクストの実績を見て頂き、課題やそれに対する打ち手を徹底議論した上で、このビジネスの成長性を評価頂きました。

 

資金調達をすると、過去の振り返りと今後の戦略の整理ができるのでいい機会だなぁと思いつつ、”企画”な仕事も楽しいのですが、それと同じぐらい“現場”も宝庫だなと改めて思いました。

 

住宅ローン債務者は30代後半~60代ですので、やや年配層がメインターゲットです。「子供がいる」「投資している」「老後が見え始めている」など、ユーザーの置かれている環境によって実に様々なニーズが垣間見れます。

 

こういった手触り感あるニーズの汲み取りはまさにリアル店舗の強み。そういったニーズをベースに「何だったらユーザーに刺さるのか」を議論している真っ最中です。やっぱ、リアル店舗出して良かった!

 

次の新サービスリリースは10月です。ご期待下さい。今度は結構Techな感じになるかと。

 

あと思うことはリソース配分ですね。

 

2億円という資金がある中、

どれだけアクセルを踏めるか、

とは言え、無駄遣いしてしまうと結果が伴う前に資金が尽きてしまう

 

この絶妙なバランスの中での経営の舵取りが求められます。自分はどちらかというと“堅く行く”ほうなので、ややアクセル気味で丁度いいと思っています(笑)。こういう意味でも自分がどういう人間かを知るのは大事。

 

次の資金調達は来年末でしょうか(たぶん???)。その時までにしっかりと実績を出して次につなげたいと思います。

FinTechのジレンマ

MFSという住宅ローンに特化したFinTechスタートアップでCOOとして働いています。最近はマイナス金利で連日賑わっており、お陰様でモゲチェックのアクセス数も伸びています。また、昨日はFIBCにも出演させて頂き、どのプレゼンよりも多くの笑いと拍手を得たのでは自負しております(笑)。

今回は新サービス準備中に非常に重要と感じた「ユーザーへの理解を深める」を切り口に、後半に本日の話題に触れようと思います。

サービス立ち上げ時にはメンバーからいろんな意見が出ます。「こういうユーザーが来たらどうするのか?」「こういう状況になったらどう対応するのか?」これら全てに対応するサービス・オペレーションを組んでいたらきりがありません。リソース的に無理です。

つまりどんなユーザー・どういったsituationは後回しにしてサービスやオペレーションを切り捨てるのか、これが非常に大事になります。その際に立ち返るのは、そもそもユーザーってどんな人なんだっけ?という問いです。

その解は年齢・住所などの大量の数量データや長~い説明文ではなく、問いにスパッと答える研ぎ澄まされた"one word"です。この"one word"が議論を収束させ、次の一歩を明らかにします。「それは対応しなくていいんじゃないのか。だってユーザーはxxxだから100人中99人は必要としていないよ」という感じで。

金融で厄介なのは、実際のユーザー像と経営陣がイメージするユーザー像の乖離が起こりやすいということです。FinTechスタートアップの経営陣は概ね金融経験が豊富です。故に、「この程度は説明しなくてもわかるだろう」とか「これぐらいは合理的に判断できるだろう」という"強気"な見立てを立てがちです。そして、その前提に基づいたテクノロジーゴリゴリの"セルフサービス"的なサービスが設計されます。

一方で一般ユーザーは金融サービスの経験があまり無く、自分一人では良し悪しが判断できない方が多いです。(飲食やECサービスとは親しまれ度合いが全然違うはずです。)

よって、FinTechサービスの何割かは「自力でやれる」&「合理的に判断できる」人向けのサービスとして世に送り出されます。でも、残念ながらそれは金融オタク向けのサービスでしかないのです。

「テクノロジーで新しいことをすれば耳目を集められるし、ネットサービスだとキャパシティが無限大だからユーザーも爆発的に増やせるはず」という見立てで突き進むと、それを使いこなせるユーザーだけに限定されてしまう。とは言え、テクノロジーをレバレッジさせたサービスにしないとオペレーション負担が大変なことになる。ここにFinTechスタートアップのジレンマがあり、これにどう取り組むかでその後のサービス発展が大きく変わる気がします。

MFSも3月24日に新サービスをリリースしますが、この問題に対して我々なりに考え抜いたひとつの答えです。ユーザーの反応が楽しみですが、此処からがスタートだと気を引き締めようと思います。

“制約”の先にあるもの

MFSという住宅ローンに特化したFinTechスタートアップでCOOとして働いています。前回は「ニワトリとタマゴから抜け出す」を書き、リソースの制約がある中でどうすべきかを書きましたが、そのことを前向きな視点で考えてみたいと思います。

多くの人にとって制約は悩ましいものです。例えば、家が遠いので朝早く出ないといけないとか、たまった仕事を週末に片付けないといけないので自分の時間が持てない、とか。お金が無いので贅沢できない、というのもあると思います。

過去、自分は相当自由に生きていました。仕事にどっぷり漬かりたいので、モルガン・スタンレーで働いていた時はオフィスから5分のところに住んでいましたし、BCGに転職してからも30分で会社に着くような都心に住んでいました。

ですが、その生活のリズムは大きく変わりました。第一子誕生&スタートアップ立ち上げというビッグイベントを経て、郊外に住むことにしたのです。電車の混雑が嫌なので起床は7時半から5時半になり、家族みんなと過ごす時間を作りたいので子供の就寝時間(夜7時)までに帰るという中で、事業を立ち上げることになったのです。

BCGで1日に15~20時間働いていた状況から比べると労働時間は大幅な減少です。でも、逆にパフォーマンスは上がりました。「あれもこれもやらなきゃ」から「本当に重要なことだけを集中して取り組もう」にマインドがシフトしたのです。そうしないと7時までに帰れないですから!結果、考えなければならないことだけを考えるようになり、また通勤時間をその思考タイムに当てることで、前職よりも中身の濃いアウトプットをコンスタントに出せている気がします。

自分を制約するものの存在は、戦略を立てるきっかけになります。そしてその戦略次第では、制約条件がない時よりもパフォーマンスを上げることもあります。僕のケースはまさにそれでした。

これからも"制約"を今の状況をより良いものに変える"きっかけ"として前向きに捉えていきたいと思います。

ニワトリとタマゴから抜け出す

MFSという住宅ローンに特化したFinTechスタートアップで働いています。前職のボストン・コンサルティング・グループを辞め、事業を立ち上げていく中で考えたことを月1回のペースでまとめていきたいと思います。

第1回目のエントリーはニワトリとタマゴから抜け出すです。会社を立ち上げて実感するのは「実績がない中で、新しいことを始めるのがいかに難しいか」ということ。

例えばこういうことです。とある銀行に提案をしていました。
私 「xxx(施策)を認めて頂ければ貴行に送客できます。」
銀行 「xxxを認めるためには行内調整が必要です。行内調整のためには、御社にある程度の送客実績がないと難しいです」

「効果的な施策だね」とお互いが理解していたとしても、多くのことは行内調整(≒審査・コンプライアンス部門の説得)という厚い壁に阻まれます。種々ある業種の中でも銀行はこれが顕著のように思います。

金融業界で起業するとなると、銀行とのリレーションは外せません。でも、銀行は実績のないスタートアップをそう簡単には受け入れてくれません。世の中はFinTechと騒いでいますが、実はそんなに甘くはない(苦笑)。

じゃぁ、どうするのか?ここがうまく立ち上がるかどうかの別れ道です。結論から言いますと、自力で実績を作るしかないです。他者に頼っていてはダメです。

スタートアップにはリソースがありません。人もカネも時間も。その限られたリソースの中で、うまくやれそうなものは何か、それを考え抜くことが非常に重要です。とりあえず思いつくままやってみる、そんなことをやっていたら貴重なリソースが尽きてしまいます。

「高速でPDCAを回す」という言葉がありますが、それは打ち手に確信がなく、候補がたくさんあるという状況に陥った場合のセカンドベストな手段でしかありません。

高速で回せばいずれ報われるはずという考えに闇雲に走るのではなく、その前に考え抜くこと、むしろそれがリソースの限られたスタートアップには求められているように思います。